車の運転免許の中でも、最近はAT限定(オートマ限定)で取得される方が多いと聞きます。
例にもれず私も10数年前の20歳ごろ、AT限定で運転免許を取得しました。
そんな私ですが、2024年6月某日、私は5万円を握りしめて、教習所に通い、AT限定解除のコースに申し込んできました。
普段から運転していた私は舐めてかかっていたので、卒検(実技)に1回落ちてしまいましたが、2回目の卒検で無事受かって、AT限定解除となり、晴れてMT車に乗れるようになりました。
この記事では、普通車のAT限定を考えている人のために、実際にかかった費用や体験、どのくらいの難しさなのかをお伝えしていきます。
この記事がオススメな人
- 普通車のAT限定解除の費用・難しさなどが気になっている人
- 実際にAT限定解除コースに通っている人
- AT限定解除のための卒検を控えている人
そもそも何でAT限定解除しようと思ったのか?
理由はただ1つ…。
田舎のヤンキーみたいな凄くダサい理由が一番の理由なのですが、しいて言うなら地元の父の車がいまだにMT車というのもあり、ずっと父から「時間があればMTの免許にしたらー?」と言われ続けていました。
父がよく言う「なんかあった時に便利だから」という、どんな時だよという時のためにAT限定解除をすることになりました。
私の運転スキルについて
私の運転スキルは大体以下のようなもんです。
- 20歳でAT限定で免許取得後、雪国で毎日通勤のために運転をしていた
- 純粋な運転歴は大体6~7年
- お休みの日も、買い物だったりでほぼ毎日運転
また、実は20歳当時に教習所に通った時、MT(マニュアル)で取得しようとMTコースで教習所に通い始めたものの、MT操作のあまりの難しさ、そもその車の運転センスの絶望的な無さから、途中でATコースに変更したんです。
MTの操作うんぬんより、そもそも運転の基本操作が絶望的に下手だった
あれから10年経ち、なんやかんやあって頭文字Dにハマり、車や機械が好きになりました。
運転がド下手だと思っていた私ですが、AT限定で運転免許取得後、すぐに車を買って毎日運転する日々となり、嫌でも車の操作には慣れました。
豪雪地帯の田舎だったので、車が無いと働きに行けない状況でした
そんな状況だったので、ある程度の知識とある程度の運転スキルは持ち合わせている状態でした。
取得費用
実技4時間+卒検費用で5万円
※実技のみで学科はなし
※教習所内の教習のみで路上教習はなし(卒検も教習所内のみ)
教習所によって費用は変わってきますが、AT限定解除費用の相場は大体5万円程度とのことでした。
基本パックの値段がこの価格ですが、「みきわめ」で落ちて補講が必要になったり、私のように卒検で落ちて、再度の卒検の受験となると、追加で費用がかかります。
教習所によっては、運転技術に不安がある人のために、あらかじめ追加の補講数回分を含めたパック価格のコースもあるそうです。
ちなみに私は、冒頭でも言ったように卒検に一度落ちているので、補講1回と再卒検費用が追加でかかって、プラス1万円かかり、総額6万円かかりました。
教習のスケジュール&教習に申し込むまでの流れ
まずはHPを確認したり、電話連絡をしたりがあるかと思いますが、直接行って受付で話を聞いた方が早いと思い、平日の午前中に教習所の受付に突撃しました。
平日にAT限定解除のコースがあるのか、直接教習所に聞きに行った
受付の人も、AT限定解除のコース申し込みに来る人はなかなか居ないようで、少し戸惑った様子でしたが、まとめるとこんな感じの説明を受けました。
- AT限定で、すでに普通車の免許を持っている場合、実技4時間+卒検合格で免許取得ができる
- 費用は5万円
- 初日の教習日に、費用の5万円をお支払いしてくれれば良いとのこと
- 卒検に合格したら、合格証明書&運転免許所を持って、免許センターに行くことで、免許証の「AT限定」が解除されるとのこと
- 最短3日で取れるが、予約のスケジュール的に1週間くらいで取得となる
事前に色々と調べていたので、実技4時間で限定解除できることは知っていましたが、本当なんだな…という印象を受けました。
また、この時は4時間で取れるならラッキーくらいの軽い気持ちでした。
実技は、一日最大でも2時間しか乗れないと決まっているとのことで、
1日目=2時間実技
2日目=2時間実技
3日目=卒検
というスケジュールが最短となりますが、予約の状況的に空きがなく、1週間くらいのスケジュールとなりました
ということで私の教習スケジュールはこんな感じに決まりました。
- 1日目(月曜日)=2時間実技
- 2日目(木曜日)=1時間実技
- 3日目(金曜日)=1時間実技
- 4日目(日曜日)=卒検日
教習所の予約状況もあるため、最短3日のスケジュールではありませんでしたが、こんな感じで1週間で取得を目指すスケジュールとなりました。
このあたりは、受付の人と都合の良い日、教習所の空きがある日を見て、スケジュールを作成してもらいました
振り返った所感(AT限定解除は難しい)
そんなこんなで教習所に突撃をしてから、約3日後には教習日1日目となり、軽くドキドキしながら行きました。
頭文字Dのおかげで、シフトレバーやクラッチがなんたるかは分かっていましたが、分かっているのと自分が操作するのでは全く違うわけで。
自分が藤原拓海になれるわけではないと思いつつも、驚きのMT操作センスで難なく合格できるだろうと、この時は思っていました。
そんな私の、謎の自信が打ち砕かれる過程を下記でご覧ください。
1時間目&2時間目
1時間目は、クラッチ操作とシフトレバーについて教習しました。
流れとして、まずは助手席に乗って車のクラッチの操作を教えてもらいます。
クラッチのこと、車が動く仕組みのことを軽く説明してもらい、教習所の直線部分で、半クラで前進したり、後ろに行ったりで、半クラで車が動く感覚を習いました。
最初は助手席に乗りますが、途中で「じゃあやってみよう」と言われて、運転席に代わる瞬間が一番緊張しますよねー
そのあと、直線部分で1速から2速にシフトチェンジさせて、教習所内の周回コースを走って1時間目は終わりました。
1時間目の教習のあと、10分間の休憩後、2時間目の教習となりました。
1時間目の教習とは違う教官となりましたが、次の教官の方も良い人でした。
2時間目も最初は半クラで、前進後進をしてから、シフトチェンジの感覚を覚えるために周回コースを走っていました。
後半で、皆さんの苦手分野(私も苦手)である「坂道発進」の教習に入りました。
AT車を運転していた時は、軽い坂道であれば坂の途中でブレーキを離しても車は後退しませんが、MT車は違います。
MT車はブレーキを離した途端から車は後ろに下がります。
この恐怖といったら、、、。
そしてその下がる前に半クラ作って、アクセル踏んで前に進むって、、結構大変じゃね?
最初はかなり下がってから、半クラの状態になりかろうじて前進しましたが、卒検ではそうはいかないので、これから卒検を目指す人はご注意を。
「坂道で●㎝以上後退」すると「●点減点」と、教習所ごとに細かい点数の基準があると思いますが、なんにせよ坂道での大幅な後退は減点対象になります。
そのため、素早く半クラにする必要があるわけですが、まあこの日はそこそこの出来で教習終了となりました。
3時間目
3時間目は、坂道発進のおさらいとクランク&S字&方向転換を行いました。
坂道発進は、より素早く半クラができるように何度か練習し、エンストもなく、マスターできました(と、この時は思っていました)
そのあとは、1速で半クラを作ったり切ったりして超低速でS字を走ったり、クランクを走りました。
運転歴はあるため、特に脱輪などせず、何も考えずに走って教習は終わりました。
この時の時点で、「おー、余裕かも」と思っていましたが、これからS字の沼にハマっていきます。。。
方向転換は、大体車がこの位置まで来たら、ハンドルを全切りでバックしていけばいい。という卒検に受かるためだけのポイントを教えてもらえるので、そこまで苦戦しませんでした。
4時間目
4時間目は、3時間目から少し日にちが空いてからの教習となりました。
とはいえ、3時間目ですでに「余裕っしょ」と思っていたのがダメだったのか、坂道発進で初のエンスト。S字で脱輪を1回します。
そうなると自分のことを疑い始めるのが人間ってやつなんですね。
あれ?この感覚で半クラ出来ていたのに、なんでエンストした?
S字にそれまで苦手意識など全く無かったのに、一度脱輪したせいで感覚が狂い、一気にS字が苦手になりました。
とはいえ、時間は決まっているためあっという間に教習終了の時間に。
次が卒検というのに、不安のまま教習は終わりました。
ですが、謎の自信で卒検は一発で合格できるっしょと切り替えて、特になんの予習などもせず卒検に挑むことになりました。
運命の卒検日
卒検の日の流れはこういった感じでした。
- 10時に教習所に集まる
- 卒検を受ける人が1つの部屋に集められる
- 受験番号の配布や手続き、卒検中の注意事項、減点事項などの説明で1時間
- 1つの車に2人~3人の受験者が乗り、自分の番が来たら運転席に代わって運転
- 1時間後に結果発表
こんな感じでした。
10時に行きましたが、実際の試験が始まったのは11時30分過ぎだったと思います。
そもそもAT限定解除の卒検は教習所内のコースだけなので、もっと早く終わるのかと思いましたが、初めて普通車の運転免許を取る人と同じ車に乗ることになりました。
そのため、普通車の路上の卒検をしている人の後部座席に乗って自分の番を待つときのドキドキ感は凄い。
でもこの時の自分は謎の自信で満ち溢れていたため、早く自分の番が来ないかなという超強気。
自分の番になって、乗り込むところから採点対象なので、自分の番になったら心臓バクバクでした。
ルームミラーを確認して、シート直して、エンジンかけて1速に入れて、無事走りだし、最初は順調に思えました。
最初の難関、坂道のところで止まり、坂道発進になりドキドキしながら半クラ。
そしてエンスト。
いや、落ち着け。坂道では1度しかエンストをしたことがないはず。
そしてまたエンジンをかけ直して、1速に入れて半クラにするがエンスト。
はい、もうこれ沼にハマりましたー。
自分の中では冷や汗だらだら。
そして、何で!?いつもと同じで半クラ作っているのに!と焦り始めるわけです。
そして普段できてるものが出来なくなる悪循環。
そして3度目のエンストで隣に座っていた教官から「はい、3回エンストになったので検定中止ですー」と言われ、席を代わったあの瞬間の悔しさ。
あの日は本当に本当に落ち込みました。
そのまま、受付に行って補講+再卒検の日程を組んで早々とその日は帰りましたが、自分の運転スキルに謎の自信があっただけに、本当に落ち込みました。
わりとなんでも器用にできる方なので、自分ってこんなこともできないの?と。
家に帰って2時間は遠い目をして、はあ…となっていたけど、たぶんきっと、みんなこういう感じになるよね。
でも、そのあと冷静になって何でエンストしたのか?を考えて気持ちを切り替えました。
だからもし、卒検に落ちて落ち込んでいる人がいたら、必ず受かるから、気にしないで次だけ見据える気持ちに切り替えることが大事です!
「卒検 落ちた」「卒検 落ちた センスない」と検索するのはやめて、次の卒検のためにイメトレするの大事
追加補講1時間と再卒検
そんなこんなで追加の補講を3日後に予定を入れて、さらにその2日後に再卒検となりました。
補講では、4時間目に教習をしてくれためちゃくちゃクセの強いおもしろオジサン教官が担当だったのですが、いろいろ教えてもらいました。
まずは第一声が「なんで落ちたー?」とびっくりしてました。
「いやー、それが坂道でまさかの3回エンストして検定中止になって…ハハ…」みたいな感じで会話をしながら、坂道発進のおさらいをしました。
教官「卒検の時と同じように坂道発進してみてー」
私「はい、本当にあの時と同じようにやってみますね」
で、エンスト。
私「ほら!これですこれ!卒検の時もこうなったんです!なんなんですか?これ」
教官「あー。半クラの足上げすぎだー」
なるほど。
私は焦って半クラを作ろうとして、位置を上げすぎていたのか…と、その時ようやくなぜエンストしまくったのか気づきました。
そんな感じで、何度も半クラの位置をおさらいして、補講でだいぶ半クラの感覚をつかめるようになり、最後に「これなら次は受かるから、落ち着いてやればいいよー」と励ましてもらい補講は終了。
たとえ落ちても、またこの先生に教えてもらえばいっかー。と少し気が楽になりました。
とはいえ、追加でお金がかかるから次こそは受かりたい、と思いましたけど
そんなこんなで、再卒検の日は、流れが分かっている+自分の苦手な部分があらかじめ分かっている状態での再卒検となったので、坂道もエンストせずにクリア。
そのあとも、特にエンストすることなく、脱輪もすることなく、無事に終わって検定終了。無事合格となりました。
一度、卒検を落ちてしまった敗因
半クラがうまくできなかった。といえばそれまでなのですが、補講などを踏まえて、細かく分解すると下記が原因だと思います。
- シートポジションの調節が微妙だったこと(前後・リクライニングの位置など)
- 教習でも乗ったことがなかった車だったこと
- 何より、半クラの位置を急激に、上げすぎていたこと
- なおかつ半クラ位置をキープできずに、足が上に上がってしまったこと
検定で緊張しすぎていたのもありますが、どんなに時間をかけてもシートポジションはしっくり来るところにちゃんと調節することが大事だと思いました。
いつもと感覚が違ったのはそのせいもあったと思います。
実際、補講の時も教官とこんな会話がありました。
教官「卒検の時に、ちゃんとシートの位置は時間かけて調整した?」
私「いや、あまり時間かけるのも忍びなくてテキトーにやってました…」
教官「そこ結構大事だから時間使っていいんだってー」
と、教えてもらいました。
また、教習車によって少し半クラの位置が違うこともあるとも教官に言われました。
これまで教習で一度も乗ったことがない車だったのも、半クラを作り辛い原因だったと思います。
これは自分で卒検の教習車を選べるわけでは無いのでどうもできないのですが、だからこそ半クラの位置を教習中に確実に覚える必要があったわけです。
が、私は「なんとなく」でしか半クラの位置を覚えられなかったので、検定当日、シートポジションもおかしい状態で半クラを作っていたので、エンストしまくったということになります。
坂道で後退しないように、素早く半クラを作ろう!と意識をしすぎて、クラッチを上げすぎていたわけです
まとめ(AT限定解除のコツ)
AT限定解除のためにアドバイスしたいこと
- 何より半クラの感覚をつかむこと
- 車によってクセがあって違うということを意識すること
- シートポジション、リクライニングの調整は一番大事
なによりも「半クラの位置」を完璧に覚える。ことが大事だと思います。
教習ではむしろ、エンストをしまくって、どこまで上げるとエンストするのかどこまで上げないと車が動かないのか、エンストしまくって覚えた方がいいと思います。
私のように「私はできるんだ」という謎のプライドがあると、教習でもちょろちょろ半クラを作って、のろのろ発進して
「エンスト?なにそれ、そんなの教習中一度もしなかったけど?」
なんてかっこつけていると卒検のような緊張する場面でエンストしまくるんだな、と思います。
成功のためには失敗の感覚もつかんで、覚えることが大事だと、AT限定解除で学びました。
また、シートの前後のポジション、リクライニングの位置も、いつもと同じようになるように、検定当日でも調節することが大事です。
ただでさえ緊張している場面で、座っているポジションがいつもと違うとなると、また感覚が違って運転操作が難しくなることを身をもって知りました。
あとは苦手なところは恥ずかしがらずに教官にばんばん聞いて、何が足りないのか質問しまくるのも良いと思います。
最後に、再卒検の前に見まくっていたyoutube動画があるので、下記においておきます。
このチャンネルでの教習の解説動画では、MT操作や教習所独特のコースの難しい部分などを細かく教えてくれるので、参考になると思います。
MT車を運転できたら、かっけえから